第22歩:【西洋思想】ヨーロッパから見た墨家 ―― 「最大の幸福」の先駆者たち
19世紀のヨーロッパ。近代化を推し進める西洋の哲学者たちが「墨家」の思想に触れたとき、彼らは驚愕したという。 1. 2400年を先取りした「功利主義」 ベンサムやミルといった哲学者たちは「最大多数の最大幸福」という功利主義を提唱した。しかしヨーロッパの知識人たちは気づいた。「この最新の論理を、2400年前の東洋の技術者集団がすでに現場で実装していたではないか」と。墨家の「交利(互いに利益を与え合い、社会全体を豊かにする)」は、まさに功利主義の完成形であった。 2. アガペー(無償の愛)と兼愛 さらに、キリスト教の「アガペー(無償の愛)」と、墨家の「兼愛(自他を区別しない平等な愛)」の構造的な一致にも、彼らは衝撃を受けた。西洋が近代になって辿り着いた「社会の最適解」を、墨家はとっくに実務の中で稼働させていたのである。